本日の現代文の授業の時に取り扱った題材です。
「全然大丈夫」という表現について、違和感がないか。
YES、NO、どちらともいえないの三つに分かれてそれぞれが意見を黒板に書く。という感じです。

結果だけ言うと YES:NO:どちら=8:1:1 という結果でした。
それぞれの代表的な主張を簡単に述べると、

YES側
「言語は移り変わるものだから『全然』を肯定の意味の言葉につけるのが浸透すれば問題ない。」
「辞書に意味が掲載されている。」

NO側
「昔から『全然』という言葉は肯定につくこともあったが、現在では誤用として扱われるケースが多く、特に文章で使う事はない。」

どちら側
「他人が使う分には気にしないが、間違った言葉使いだという意識が強いため、自分では使わない。」

こんな感じです。
さて、この後先生は一枚の資料を配りました。
それには、「打消しを伴わない『全然』を使用している例が明治、大正時代には少なくない」ということが記載されていました。
例えば、有名な芥川龍之介の「羅生門」の一文

「これを見ると、下人は始めて明白にこの老婆の生死が、全然、自分の意志に支配されてゐると云ふことを意識した」

全然支配されている、最早形容詞にすらついていない「全然」を、大文豪が堂々と使用しています。
他にも、森鴎外などなど、近代では否定につかない「全然」という言葉が普通に文章中に出てきます。
で、これがどこまで確認されたかというと、昭和34年までらしいです。
戦後高度経済成長期まで文章で「全然」がまかり通っていました。


こうなってくるとどちらが本当に正しいのかわからなくなってきますよね。

コメント

かりキン
2012年4月18日7:17

全然、面白い授業ですね〜。

キルミーあかさき
2012年4月18日22:15

かりキンさん>
全然興味深い内容でしたね。
こういう授業なら全然のめりこめるのですが、なかなか数学などでは難しそうです。

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