週一更新とは。
これは感想を書かなければと思いサークルが終わって本屋が閉まる一分前に突入して購入。本屋の方々にはご迷惑をおかけしたことをこの場をかりてお詫び申し上げます。

と、いうわけで読んでみました。
感想を一言で述べるなら「思っていたよりは面白かった」ということになりますかね。
カゲプロとか千本桜とかの他のボカロ楽曲のメディアミックスには一切手を出しておらず、またメディアミックス化には反対であった立場だったのでどうしても食わず嫌いをしていたのですが、発売日一日前には「もう書店にあるのかな?」と確認しにいく張り切りようである。出たら出たで一ファンとしてはチェックしないわけにはいかないでしょう、ええ。

ここからはネタバレを含みますので嫌いな方はバック推奨です。




そもそも「人生リセットボタン」は、他の曲と比べてもその歌詞の中でストーリーが完結している部類であると個人的には思っていたため、解釈には限界があると思っていました。
そうして今回の小説化について、これを見たときに「大体こういう内容なんだろうなー」という内容の予想もある程度は行っていました。
結果として内容の的中率は7割程度でしたでしょうか。そもそも原作歌詞のストーリーをなぞらえて作られているため細かい設定とラスト以外は大体予想通りの展開。
キャラ設定を読んだときに「あー、なるほど」と思ったり思わなかったりしました。

ただし「人生リセットボタン」の効用については、完全に自分とは違う解釈だったのが興味深いと感じました。
僕はリセットボタンの効用が「前回の記憶を共有したままの転生」だと考えていました。「無敵の天才神童」っていうのは中学一年生時点で既に大学卒業レベルの知識を持っているレベルだと思っていましたし、そうでなければ6兆5312万4710年もの年月が経つわけないんじゃないかなー、と考えていたからです。
しかし、僕が想像していたよりもリセットボタンの効用は即時的かつ副作用がなかなかにえげつないものでした。うん、確かに僕が思っていたような設定だと3000回も告白するのに大体年月にして約45000年かかるわけですか、そりゃあ大変だ。

作品自体の内容に触れると、よくあるライトノベル的中二病臭漂う青春の中でもがき苦しむ少年、というのは自分の予想通りでした。主人公が若干イケメンすぎるのは、まあ、動画の時点でわかっていたことかもしれませんが、あの容姿で、はぶられることはないだろう、とか一人で考えていましたw
最初に書いた「思っていたよりは面白かった」という見解についてですが、これは自分の素直な感想です。
この小説には身を震わせるような感動もなければ、バカみたいに笑えるようなコントもなければ、あっと驚く意外性もなければ、という感じで、何もかもが中途半端で、さすがにこれをエンターテインメントとして、ボカロを全く知らない友達に勧められるようなコンテンツでは、残念ながらなかったように思います。
それでも、メインターゲットとして想定されたであろう「中高生」にむけて、自分の理想と現実のギャップにもがき苦しむ主人公の姿は、多くの人に共感できる内容であり、また、文体が主人公一人称で語られ、3行以上にわたるような助長な描写が少なく読みやすかった、というのは、この本の良かった点に挙げられるのではないでしょうか?
ただ、不満があるとすれば、ちょっと悪役が安っぽすぎたという点ですかね。さすがにあれはダメでしょう。読んでいて若干恥ずかしくなるレベルのテンプレ具合ですよ、あのマッドサイエンティスト。
個人的には中盤まで読んだ段階では「主人公兄が作り出したカミサマ(マキちゃん)の暴走を主人公が止める」という展開を予想していただけに、ちょっとだけがっかりしました。展開が間違っていたこと以上に、キャラの既視感が半端なかったです。最近のラノベってこういう既視感が多いのですかね? 久しく新しい作品に手を出してないためなんとも言えませんが。
ただ伏線はすごく自然(?)に張られていたので、そういった意味では「ほーん」というくらいの意外さはありましたが、やっぱりそれでも、うん、あの思想はわかりやすすぎるわ。
でも、クライマックスの主人公のセリフで個人的にいいなと思ったセリフもあったりします。

「兄さん神様がどんなだか知らないだろ! 神様はなぁ、きまぐれで残酷でいたずら好きでガキっぽくてコスプレ好きでちょっとだけ可愛くて、兄さんが思ってるようなもんじゃ全然ねーんだよ! 神に愛されてる? 笑わせんなよ。 神様に愛されてるのは僕だ!」

 このセリフはなんだかすごく好きです。なんというか、これぐらいわかりやすいセリフは一周回って「主人公の声」のように思えます。

 別にメディアミックス化の成功が小説の部数によるようなものではないと思っていますが、じゃあ何をもってボカロのメディアミックスが成功だといえるの? と聞かれると、おそらく「どれだけの既存ファンを納得させられるか」だと思います。
 そういった意味で今回の小説は、残念ながらすこし僕にとっては物足りなかったです。及第点ではありますが、胸を張って「これは面白い!」といえるようなものでは、なかったように思います。
 まあそういった意味でも、これからの三作には期待ですね!



kemuさんに関する前回の記事
「【悲報】kemuさんが引退するらしい。」
http://otonpcg.diarynote.jp/201305070950506460/

コメント

nophoto
っvgjfぃyky
2021年9月4日16:09

bbbbbbyuiyuiyui©りぃりゅいふゅftydtydtyfツフィ

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