日本の環境は移り変わりが少ない、という声が一部から出ています。
僕もその声には賛成なのですが、ただただ闇雲にあーだこーだ言っても説得力に欠けるので、そもそも今の日本のポケモンカードの環境はどうなっとるんだということで、定量調査をしてみました。
【対象】
自分の対戦相手と、自分がDNでリンクしているユーザーの使用デッキと、その対戦相手のデッキ。
【期間】
2014年1月11日~2014年1月23日
注意点
①タッチカードやサブアタッカーが異なっている場合でも、デッキの根幹の動きが同じ場合は「~派生」として統一。
②同じ日に同じ人が同じデッキを使っていた場合カウントをしない。
(例えばDNユーザーが複数人行っているお店で対戦者が同じような時)
③同じ人の同じデッキタイプは1としてカウント。
ただ個人でやったのと、対戦結果しか書いていないブログや、相手のお名前がなく対戦相手が同一人物か特定できない場合があったので、そういう場合は適宜対応しています。
結果は、以下の通りになりました。
使用者数 使用デッキタイプ
30 レックウザEXシビビール派生
28 イベルタルEXダークライEX派生
28 ビリジオンEXゲノセクトEX派生
27 フレフワンバレット
25 パルキアEX派生
19 ルギアEXボルトロスEXデオキシスEX派生
17 ゼクロムシビビール派生
15 ケルディオEXカメックス派生
15 ゲッコウガ派生
13 ランドロスEXダストダス派生
12 キュレムボルトロスEXデオキシスEX派生
7 ダークライEXサザンドラ派生
6 マフォクシーエンブオー派生
5 パンプジン派生
5 ダークライEXダストダス派生
5 ギギギアルコバルオン派生
5 ガブリアスチルタリス派生
3 ライブラリアウト系
3 MフシギバナEX派生
3 ダークライEXアブソル派生
3 ミュウツーEXサーナイト派生
3 オーロットアギルダー派生
3 キュレムEX派生
2 ギルガルド派生
2 ランドロスEXミュウツーEX派生
2 ホワイトキュレムEXエンブオー
2 レックウザEXエンブオー
2 ムーランドダークライEXセレビィEX
2 オーロットドンファン派生
2 準ミュウツーEX単
1 サーナイトエルレイドミュウツーEXココロモリ
1 ダークライEXルギアEXアブソル
1 ライチュウチラチーノシビビール
1 ラフレシアバレット
1 トルネロスEXボルトロスEXシビビール
1 アブソルイベルタルEXミュウツーEX
1 アーケオススイクンビクティニ
1 りんしょう
1 ホウオウEXエルレイド
1 エンペルト派生
1 カイオーガEXスイクンライチュウ
1 ホウオウバレット
1 シンボラーコバルオン
1 ゼルネアスEX派生
1 イベルタルEXシビビール派生
1 コバルオンEXビクティニEX
1 イベルタルEXトルネロスEX
1 ランドロスEXラッタ
1 マッギョスイクン
1 ドリュウズEXイベルタルEX
1 キュレムブラッキー
1 ガブリアスヨノワール派生
1 ハッサムダストダス
1 ダークライEXヤミラミ
1 トルネロスEXゴーゴートトリミアン
1 MカメックスEXダストダス
1 ブースターダストダス
1 シビビールバレット
1 イベルタルEXラッタダストダス
1 タマタママニューラ
(N=324)
ちなみに、これをグラフで表したのが画像です。
かなり時間はかかりましたが、やっていて楽しかったので手間ではありませんでした。
やはり使用者が10人を超えているようなデッキは、デッキ構築段階で想定しておきたいトップメタデッキが並んでいます。
しかし感じたのは、今のポケモンカードは思ったより幅のある環境だ、ということです。
この2週間だけで、しかも僕がリンクをしている人だけでも60種類以上のデッキを回していたのは意外だなー、と。もちろん、自分がやっている中で細分化しすぎた、というのはありますが(笑)。地域メタなどが絡んでくるとこれだけ多いものなんですね。
それでは個別に環境を分析していきます。
【Tier1】
30 レックウザEXシビビール派生
28 イベルタルEXダークライEX派生
28 ビリジオンEXゲノセクトEX派生
27 フレフワンバレット
25 パルキアEX派生
今の環境を支配しているデッキが並んでいます。皆様も、おそらく一度は対戦したことがあるかと思います。
これらのデッキがこれだけ多くの人に使われている理由の一つに、構築にある程度幅がある、という点です。それぞれ見ていきましょう。
レックウザEXシビビールは、サブアタッカー候補には、ビクティニ、ライコウEX、レックウザ、ゼクロムなどが挙げられ、まんたんのくすりの有無、ジラーチEXの採用の有無など、デッキのテンプレートは存在するものの、自分に合った配分の構築が出来るのが特徴の一つです。また、レックウザEXシビビールをこれだけ多くの人が使っているのは、他のTier1の4つが、すべてEXポケモンが攻撃をしてくるようなデッキですので、それらをOHKOし、盤面さえ完成してしまえばサイドレースを優位に進められることが要因の一つだと考えます。
EXポケモンをOHKOできるデッキタイプとして、他にタマタママニューラ、ふくしゅうブースター、道具落とし、などが挙げられますが、これらのデッキは、準備に多大な労力を使うだけでなく、サイドレース以外の場面のリソース管理がかなり難しいことから、最もリソース管理の簡単なレックウザEXシビビールが、消去法で多くの人に使われている、という側面もあるでしょう。
イベルタルEXダークライEXのサブアタッカーは、アブソルが多かったですが、他にはヤミラミやバッフロンも見受けられました。また、ダークライEX派生も含めると、今の環境の中で一番使用者の多いデッキだと考えられます。
ダークライEXだけでは、ランドロスEXやテラキオン、といった闘タイプのポケモンにはどうしても不利になっていました。しかし、イベルタルEXが登場したことにより、悪デッキは、これらの闘ポケモンとも同等に渡り合うことが可能になったのです。また、それまでは自力で大ダメージを与えるのが困難であったダークライEX派生デッキに、青天井のイベルタルEXが加われば、与えるダメージにも緩急がつけられ、これまでなかなかできなかった、相手のEXポケモンを強引に突破する、ということが可能になりました。ベンチ狙撃、青天井、グッズ回収と、悪デッキは何でもできるデッキになりました。その器用さが、使用者を増やしている要因の一つだと考えられます。
ビリジオンEXゲノセクトEXのサブアタッカーとしては、多くはフワライドでした。先に述べた悪デッキをはじめとする多くのデッキは、「どくさいみん光線」による打点の底上げを図ることで、相手のEXポケモンを倒しやすくしよう、というデッキが多いですが、ビリジオンEXがどんどん湧いてくるこのデッキでは、それが通用しません。間接的に、ビリジオンEXやゲノセクトEXの耐久力を上げているわけです。
また、ゲノセクトEXの「レッドシグナル」は、確定ポケモンキャッチャーの時代よりも絶大な強さを発揮しています。環境が変化し、ベンチでポケモンを育てるデッキが多くなったためです。また、現在の環境で猛威を振るっている特定のデッキでは、特殊エネルギーが大量に搭載されています。ビリジオンEXやゲノセクトEXは、ゲノセクトEXのGブースター以外、大ダメージを与えることができませんでしたが、今の環境はフワライドが暴れるのにはうってつけの環境です。そして、Tier1、Tier2などの、いわゆるトップメタデッキすべてに対して、しっかりと勝ち筋があります。そういった理由で、このデッキは多くの人が使用していると考えられます。
フレフワンバレットは、そもそもアタッカー選択の段階で、環境を見る目が問われます。「ゼルネアスデッキ30」が出ていない現状では、ボルトロスEXで、後ろのゲノセクトEXを加速し、それをフェアリートランスすることで、ランドロスEXやダークライEXが攻撃するようなデッキが多いと感じています。しかし、これはあくまで僕の主観なので、もっと変なフレフワンバレットが、今後どんどんと登場することでしょう。
このデッキは、まず、構築の段階でどのようなポケモンをアタッカーに据えるかだけでなく、実際の対戦の中でも、「どのポケモンで攻撃するのが最適か」といった選択などを常に迫られます。フレフワンバレットは使っていて楽しい、という意見がありますが、それは、このデッキが、他のデッキよりも多くの選択をし、それが勝ちに直結する選択になった時に、他にはないような楽しさが味わえるからだと思います。選択が多くプレイングも難しいですが、その分デッキの汎用性と可能性はまだまだ伸びそうです。
パルキアEXは、壁役のポケモンとしてカビゴン、オーロット、ダメージを底上げするためにデオキシスEX、チルタリスが使われていることが多かったです。このデッキは、キャッチャーが弱体化したことにより二つの恩恵を受けました。一つ目は、ベンチに戻ったパルキアEXが倒されにくくなったこと。もう一つは、同じくポケモンキャッチャーが弱体化したことにより、レックウザEXシビビールを使う人が多くなり、そのデッキに明確に有利なデッキだからです。
最近では、ボルトロスEXやルギアEXを入れ、相手のデッキと盤面からなにでどのように攻撃するかを選択する汎用性の高い型が主流のようです。このようなデッキを、ルギアEX型プラズマに分類するか、パルキアEX派生に分類するかで悩みましたが、結局、主軸にパルキアEXがいる、という点が従来のデッキには見られなかったので、これらのデッキはすべて「パルキアEX派生」として扱いました。フレフワンバレットほどではありませんが、このデッキも構築にはかなり幅があります。
このように、Tier1では、基本的な動きや構築はテンプレートとして存在するものの、各々の環境分析によって独自の動き方を容易に組み込めるデッキが多いです。これらのデッキに対応するためには、基本的な動きや弱点を押さえておくことはもちろん、様々な人が作ったデッキと戦うことで、どのようなタッチカード、サブアタッカーが選択され、それが実戦の中でどのように使われているのか、を多く知ることが重要です。
【Tier2】
19ルギアEXボルトロスEXデオキシスEX派生
17ゼクロムシビビール派生
15ケルディオEXカメックス派生
15ゲッコウガ派生
13ランドロスEXダストダス派生
12キュレムボルトロスEXデオキシスEX派生
これらのデッキは、一時期はTier1クラスに大流行していたデッキや、最近になって使用者がどんどん増えているデッキなどバラエティに富んでいます。それではそれぞれ見ていきましょう。
ルギアEXボルトロスEXデオキシスEXは、海外ではWCS2013の頃から多くの方が使用していたデッキで、日本でも最近使用者が増えています。その要因の一つとして挙げられるのが「ちからのハチマキ」です。このカードのおかげで、従来よりも、ルギアEXが一撃で相手のEXポケモンを倒しやすくなり、サイドレースを非常に優位に進められる機会が多くなりました。
また、俗に「Yeti」と呼ばれる、カビゴンを搭載した型も、最近ちらほら見かけます。起動こそ遅いものの、非ポケモンEXで180ダメージが出せるポケモンというのは、特に隠し玉としてスクランブルスイッチなどを絡めて出てこられると、意表をつかれ、一気に相手のペースになってしまうこともあります。そういったトリッキーさと、ルギアEXのスピード感が、このデッキが多くの人に使われている理由だと思います。
ゼクロムシビビールは、今でこそレックウザEXシビビールよりも使用者が少ないものの、BW2当時から多くの使用者がいます。さらに、今回「ちからのハチマキ」が登場したことにより、ゼクロムのらいげきでHP130のポケモンが、ゼクロムEXのストロングボルトでHP170のポケモンが一撃で倒せるようになりました。これまでは、どくさいみん光線にダメージを依存していましたが、今ではどくさいみん光線を使わなくても、大抵のポケモンが楽に倒せるので、このデッキがまた見直されてきているのでは、と感じています。
また、レックウザEXシビビールよりも、こちらは非EXポケモンのアタッカーが多いため、盤面さえ完成してしまえば、ほとんどのデッキと互角以上に戦えるうえ、レックウザEXのように、必ずシビビールが必要なわけではありません(もちろんあったほうが確実に強いのですが)。そういった意味で、爆発力こそないものの安定して強いデッキだといえます。
ケルディオEXカメックスも、常に環境の最前線に居続けているデッキです。ケルディオEXのポテンシャルと、カメックスの特性がうまくかみ合っているほか、ブラックキュレムEXなどのサブアタッカー候補にも恵まれています。また、最近ではゲノセクトEXとプラズマエネルギーを入れ、確定ポケモンキャッチャーとして確実に相手のシステムポケモンを倒したり、サイドレースを優位に進めたりするタイプが多く見受けられます。
しかし、現環境で幅を利かせているイベルタルEXに対して、このデッキは少し不利です。高確率で、ケルディオEXがOHKOされてしまいます。対悪戦においてどう立ち回るかが、このデッキの課題といえるでしょう。
ゲッコウガは、XY1が発売して、ちからのハチマキ、イベルタルEXの次に使用者が多いカードだと考えられます。エンペルト、キングドラと組み合わせて、状況に応じて何で攻撃していくかを変えていくデッキと、スイクンを壁にしながらベンチで「みずしゅりけん」をして相手のポケモンをどんどんと倒していく2つのタイプに大きく分かれています。どちらにも共通していえることは、Tier1のデッキについては、特にスイクンゲッコウガは相性がいいと考えられます。しかしながら、ゲッコウガは、複数体並べてはじめて意味を為すカードです。そこのスピードをいかに上げていくかが、今後このデッキタイプが生き残るための一つの道になるでしょう。
ランドロスEXダストダスは、日本では最もメジャーなダストダスデッキです。サブアタッカーとしてはミュウツーEXを選択されることが多いです。序盤はランドロスEXやミュウツーEXで押し切りながら、ダストダスで特性をロックしてそのまま押し切って勝つ、というのがデッキの本来のコンセプトですが、「ちからのハチマキ」が登場したことにより、ランドロスEXの「だいちのさばき」が、通常で100ダメージ、のぞむなら170ダメージを出せるようになりました。これは、タチワキシティジムとどくさいみん光線を使えば、HP130のポケモンを簡単に倒せるようになった、ということであり、また、どくさいみん光線がなくてもHP170のポケモンEXを簡単に倒せるようになった、ということです。ランドロスEXは、まだまだ研究が進んでいないため、今後もっと有用な使い方を模索していきたいところです。
キュレムボルトロスEXデオキシスEXは、日本ではBW時代末期を席巻したデッキです。キュレムの高いポテンシャルを、デオキシスEXやどくさいみん光線、シルバーバングルで底上げする。また、ボルトロスEXとキュレムでワンツーパンチで効率よく相手のポケモンが倒せたり、と、使用者がとても多いデッキでした。
しかし、今では、ポケモンキャッチャーがなくなり、相対的にデッキパワーはガクッと下がりました。キュレムとゲノセクトEX、、両方に一ターンでエネルギーを手札からつけることはできません。なので、今ではゲノセクトEXにエネルギーをつけながらもアタッカーが動きやすいルギア型やパルキア型が多い、ということなのでしょう。
しかし、キュレムは非EXポケモンのアタッカーなので、依然としてEXポケモンの多い環境下では、サイドレースを優位に進めることができます。そのため、まだまだ使用者は健在なのだと思います。
Tier2のデッキの特徴として、Tier1よりもデッキの動きにテンプレートがないことです。なので、相手にする際は、常に相手の立場に立って、「相手は何をされるのが一番つらいだろう?」と考えながらプレイするのが良いと思います。
Tier3以下は、時間も労力もないので紹介まではできませんが、環境の多くのデッキは上記デッキから構成されているので、デッキを組む際の参考にしてください。
後、いないとは思いますが、このデータを別の場所で使いたい、と言う方がいらっしゃいましたら、一言声をかけてくだされればうれしいです。
しかしこれ、思ったより面白いので定期的にやりたいですね。
次の集計はハーフデッキ発売後の2月中旬あたりの予定です。
僕もその声には賛成なのですが、ただただ闇雲にあーだこーだ言っても説得力に欠けるので、そもそも今の日本のポケモンカードの環境はどうなっとるんだということで、定量調査をしてみました。
【対象】
自分の対戦相手と、自分がDNでリンクしているユーザーの使用デッキと、その対戦相手のデッキ。
【期間】
2014年1月11日~2014年1月23日
注意点
①タッチカードやサブアタッカーが異なっている場合でも、デッキの根幹の動きが同じ場合は「~派生」として統一。
②同じ日に同じ人が同じデッキを使っていた場合カウントをしない。
(例えばDNユーザーが複数人行っているお店で対戦者が同じような時)
③同じ人の同じデッキタイプは1としてカウント。
ただ個人でやったのと、対戦結果しか書いていないブログや、相手のお名前がなく対戦相手が同一人物か特定できない場合があったので、そういう場合は適宜対応しています。
結果は、以下の通りになりました。
使用者数 使用デッキタイプ
30 レックウザEXシビビール派生
28 イベルタルEXダークライEX派生
28 ビリジオンEXゲノセクトEX派生
27 フレフワンバレット
25 パルキアEX派生
19 ルギアEXボルトロスEXデオキシスEX派生
17 ゼクロムシビビール派生
15 ケルディオEXカメックス派生
15 ゲッコウガ派生
13 ランドロスEXダストダス派生
12 キュレムボルトロスEXデオキシスEX派生
7 ダークライEXサザンドラ派生
6 マフォクシーエンブオー派生
5 パンプジン派生
5 ダークライEXダストダス派生
5 ギギギアルコバルオン派生
5 ガブリアスチルタリス派生
3 ライブラリアウト系
3 MフシギバナEX派生
3 ダークライEXアブソル派生
3 ミュウツーEXサーナイト派生
3 オーロットアギルダー派生
3 キュレムEX派生
2 ギルガルド派生
2 ランドロスEXミュウツーEX派生
2 ホワイトキュレムEXエンブオー
2 レックウザEXエンブオー
2 ムーランドダークライEXセレビィEX
2 オーロットドンファン派生
2 準ミュウツーEX単
1 サーナイトエルレイドミュウツーEXココロモリ
1 ダークライEXルギアEXアブソル
1 ライチュウチラチーノシビビール
1 ラフレシアバレット
1 トルネロスEXボルトロスEXシビビール
1 アブソルイベルタルEXミュウツーEX
1 アーケオススイクンビクティニ
1 りんしょう
1 ホウオウEXエルレイド
1 エンペルト派生
1 カイオーガEXスイクンライチュウ
1 ホウオウバレット
1 シンボラーコバルオン
1 ゼルネアスEX派生
1 イベルタルEXシビビール派生
1 コバルオンEXビクティニEX
1 イベルタルEXトルネロスEX
1 ランドロスEXラッタ
1 マッギョスイクン
1 ドリュウズEXイベルタルEX
1 キュレムブラッキー
1 ガブリアスヨノワール派生
1 ハッサムダストダス
1 ダークライEXヤミラミ
1 トルネロスEXゴーゴートトリミアン
1 MカメックスEXダストダス
1 ブースターダストダス
1 シビビールバレット
1 イベルタルEXラッタダストダス
1 タマタママニューラ
(N=324)
ちなみに、これをグラフで表したのが画像です。
かなり時間はかかりましたが、やっていて楽しかったので手間ではありませんでした。
やはり使用者が10人を超えているようなデッキは、デッキ構築段階で想定しておきたいトップメタデッキが並んでいます。
しかし感じたのは、今のポケモンカードは思ったより幅のある環境だ、ということです。
この2週間だけで、しかも僕がリンクをしている人だけでも60種類以上のデッキを回していたのは意外だなー、と。もちろん、自分がやっている中で細分化しすぎた、というのはありますが(笑)。地域メタなどが絡んでくるとこれだけ多いものなんですね。
それでは個別に環境を分析していきます。
【Tier1】
30 レックウザEXシビビール派生
28 イベルタルEXダークライEX派生
28 ビリジオンEXゲノセクトEX派生
27 フレフワンバレット
25 パルキアEX派生
今の環境を支配しているデッキが並んでいます。皆様も、おそらく一度は対戦したことがあるかと思います。
これらのデッキがこれだけ多くの人に使われている理由の一つに、構築にある程度幅がある、という点です。それぞれ見ていきましょう。
レックウザEXシビビールは、サブアタッカー候補には、ビクティニ、ライコウEX、レックウザ、ゼクロムなどが挙げられ、まんたんのくすりの有無、ジラーチEXの採用の有無など、デッキのテンプレートは存在するものの、自分に合った配分の構築が出来るのが特徴の一つです。また、レックウザEXシビビールをこれだけ多くの人が使っているのは、他のTier1の4つが、すべてEXポケモンが攻撃をしてくるようなデッキですので、それらをOHKOし、盤面さえ完成してしまえばサイドレースを優位に進められることが要因の一つだと考えます。
EXポケモンをOHKOできるデッキタイプとして、他にタマタママニューラ、ふくしゅうブースター、道具落とし、などが挙げられますが、これらのデッキは、準備に多大な労力を使うだけでなく、サイドレース以外の場面のリソース管理がかなり難しいことから、最もリソース管理の簡単なレックウザEXシビビールが、消去法で多くの人に使われている、という側面もあるでしょう。
イベルタルEXダークライEXのサブアタッカーは、アブソルが多かったですが、他にはヤミラミやバッフロンも見受けられました。また、ダークライEX派生も含めると、今の環境の中で一番使用者の多いデッキだと考えられます。
ダークライEXだけでは、ランドロスEXやテラキオン、といった闘タイプのポケモンにはどうしても不利になっていました。しかし、イベルタルEXが登場したことにより、悪デッキは、これらの闘ポケモンとも同等に渡り合うことが可能になったのです。また、それまでは自力で大ダメージを与えるのが困難であったダークライEX派生デッキに、青天井のイベルタルEXが加われば、与えるダメージにも緩急がつけられ、これまでなかなかできなかった、相手のEXポケモンを強引に突破する、ということが可能になりました。ベンチ狙撃、青天井、グッズ回収と、悪デッキは何でもできるデッキになりました。その器用さが、使用者を増やしている要因の一つだと考えられます。
ビリジオンEXゲノセクトEXのサブアタッカーとしては、多くはフワライドでした。先に述べた悪デッキをはじめとする多くのデッキは、「どくさいみん光線」による打点の底上げを図ることで、相手のEXポケモンを倒しやすくしよう、というデッキが多いですが、ビリジオンEXがどんどん湧いてくるこのデッキでは、それが通用しません。間接的に、ビリジオンEXやゲノセクトEXの耐久力を上げているわけです。
また、ゲノセクトEXの「レッドシグナル」は、確定ポケモンキャッチャーの時代よりも絶大な強さを発揮しています。環境が変化し、ベンチでポケモンを育てるデッキが多くなったためです。また、現在の環境で猛威を振るっている特定のデッキでは、特殊エネルギーが大量に搭載されています。ビリジオンEXやゲノセクトEXは、ゲノセクトEXのGブースター以外、大ダメージを与えることができませんでしたが、今の環境はフワライドが暴れるのにはうってつけの環境です。そして、Tier1、Tier2などの、いわゆるトップメタデッキすべてに対して、しっかりと勝ち筋があります。そういった理由で、このデッキは多くの人が使用していると考えられます。
フレフワンバレットは、そもそもアタッカー選択の段階で、環境を見る目が問われます。「ゼルネアスデッキ30」が出ていない現状では、ボルトロスEXで、後ろのゲノセクトEXを加速し、それをフェアリートランスすることで、ランドロスEXやダークライEXが攻撃するようなデッキが多いと感じています。しかし、これはあくまで僕の主観なので、もっと変なフレフワンバレットが、今後どんどんと登場することでしょう。
このデッキは、まず、構築の段階でどのようなポケモンをアタッカーに据えるかだけでなく、実際の対戦の中でも、「どのポケモンで攻撃するのが最適か」といった選択などを常に迫られます。フレフワンバレットは使っていて楽しい、という意見がありますが、それは、このデッキが、他のデッキよりも多くの選択をし、それが勝ちに直結する選択になった時に、他にはないような楽しさが味わえるからだと思います。選択が多くプレイングも難しいですが、その分デッキの汎用性と可能性はまだまだ伸びそうです。
パルキアEXは、壁役のポケモンとしてカビゴン、オーロット、ダメージを底上げするためにデオキシスEX、チルタリスが使われていることが多かったです。このデッキは、キャッチャーが弱体化したことにより二つの恩恵を受けました。一つ目は、ベンチに戻ったパルキアEXが倒されにくくなったこと。もう一つは、同じくポケモンキャッチャーが弱体化したことにより、レックウザEXシビビールを使う人が多くなり、そのデッキに明確に有利なデッキだからです。
最近では、ボルトロスEXやルギアEXを入れ、相手のデッキと盤面からなにでどのように攻撃するかを選択する汎用性の高い型が主流のようです。このようなデッキを、ルギアEX型プラズマに分類するか、パルキアEX派生に分類するかで悩みましたが、結局、主軸にパルキアEXがいる、という点が従来のデッキには見られなかったので、これらのデッキはすべて「パルキアEX派生」として扱いました。フレフワンバレットほどではありませんが、このデッキも構築にはかなり幅があります。
このように、Tier1では、基本的な動きや構築はテンプレートとして存在するものの、各々の環境分析によって独自の動き方を容易に組み込めるデッキが多いです。これらのデッキに対応するためには、基本的な動きや弱点を押さえておくことはもちろん、様々な人が作ったデッキと戦うことで、どのようなタッチカード、サブアタッカーが選択され、それが実戦の中でどのように使われているのか、を多く知ることが重要です。
【Tier2】
19ルギアEXボルトロスEXデオキシスEX派生
17ゼクロムシビビール派生
15ケルディオEXカメックス派生
15ゲッコウガ派生
13ランドロスEXダストダス派生
12キュレムボルトロスEXデオキシスEX派生
これらのデッキは、一時期はTier1クラスに大流行していたデッキや、最近になって使用者がどんどん増えているデッキなどバラエティに富んでいます。それではそれぞれ見ていきましょう。
ルギアEXボルトロスEXデオキシスEXは、海外ではWCS2013の頃から多くの方が使用していたデッキで、日本でも最近使用者が増えています。その要因の一つとして挙げられるのが「ちからのハチマキ」です。このカードのおかげで、従来よりも、ルギアEXが一撃で相手のEXポケモンを倒しやすくなり、サイドレースを非常に優位に進められる機会が多くなりました。
また、俗に「Yeti」と呼ばれる、カビゴンを搭載した型も、最近ちらほら見かけます。起動こそ遅いものの、非ポケモンEXで180ダメージが出せるポケモンというのは、特に隠し玉としてスクランブルスイッチなどを絡めて出てこられると、意表をつかれ、一気に相手のペースになってしまうこともあります。そういったトリッキーさと、ルギアEXのスピード感が、このデッキが多くの人に使われている理由だと思います。
ゼクロムシビビールは、今でこそレックウザEXシビビールよりも使用者が少ないものの、BW2当時から多くの使用者がいます。さらに、今回「ちからのハチマキ」が登場したことにより、ゼクロムのらいげきでHP130のポケモンが、ゼクロムEXのストロングボルトでHP170のポケモンが一撃で倒せるようになりました。これまでは、どくさいみん光線にダメージを依存していましたが、今ではどくさいみん光線を使わなくても、大抵のポケモンが楽に倒せるので、このデッキがまた見直されてきているのでは、と感じています。
また、レックウザEXシビビールよりも、こちらは非EXポケモンのアタッカーが多いため、盤面さえ完成してしまえば、ほとんどのデッキと互角以上に戦えるうえ、レックウザEXのように、必ずシビビールが必要なわけではありません(もちろんあったほうが確実に強いのですが)。そういった意味で、爆発力こそないものの安定して強いデッキだといえます。
ケルディオEXカメックスも、常に環境の最前線に居続けているデッキです。ケルディオEXのポテンシャルと、カメックスの特性がうまくかみ合っているほか、ブラックキュレムEXなどのサブアタッカー候補にも恵まれています。また、最近ではゲノセクトEXとプラズマエネルギーを入れ、確定ポケモンキャッチャーとして確実に相手のシステムポケモンを倒したり、サイドレースを優位に進めたりするタイプが多く見受けられます。
しかし、現環境で幅を利かせているイベルタルEXに対して、このデッキは少し不利です。高確率で、ケルディオEXがOHKOされてしまいます。対悪戦においてどう立ち回るかが、このデッキの課題といえるでしょう。
ゲッコウガは、XY1が発売して、ちからのハチマキ、イベルタルEXの次に使用者が多いカードだと考えられます。エンペルト、キングドラと組み合わせて、状況に応じて何で攻撃していくかを変えていくデッキと、スイクンを壁にしながらベンチで「みずしゅりけん」をして相手のポケモンをどんどんと倒していく2つのタイプに大きく分かれています。どちらにも共通していえることは、Tier1のデッキについては、特にスイクンゲッコウガは相性がいいと考えられます。しかしながら、ゲッコウガは、複数体並べてはじめて意味を為すカードです。そこのスピードをいかに上げていくかが、今後このデッキタイプが生き残るための一つの道になるでしょう。
ランドロスEXダストダスは、日本では最もメジャーなダストダスデッキです。サブアタッカーとしてはミュウツーEXを選択されることが多いです。序盤はランドロスEXやミュウツーEXで押し切りながら、ダストダスで特性をロックしてそのまま押し切って勝つ、というのがデッキの本来のコンセプトですが、「ちからのハチマキ」が登場したことにより、ランドロスEXの「だいちのさばき」が、通常で100ダメージ、のぞむなら170ダメージを出せるようになりました。これは、タチワキシティジムとどくさいみん光線を使えば、HP130のポケモンを簡単に倒せるようになった、ということであり、また、どくさいみん光線がなくてもHP170のポケモンEXを簡単に倒せるようになった、ということです。ランドロスEXは、まだまだ研究が進んでいないため、今後もっと有用な使い方を模索していきたいところです。
キュレムボルトロスEXデオキシスEXは、日本ではBW時代末期を席巻したデッキです。キュレムの高いポテンシャルを、デオキシスEXやどくさいみん光線、シルバーバングルで底上げする。また、ボルトロスEXとキュレムでワンツーパンチで効率よく相手のポケモンが倒せたり、と、使用者がとても多いデッキでした。
しかし、今では、ポケモンキャッチャーがなくなり、相対的にデッキパワーはガクッと下がりました。キュレムとゲノセクトEX、、両方に一ターンでエネルギーを手札からつけることはできません。なので、今ではゲノセクトEXにエネルギーをつけながらもアタッカーが動きやすいルギア型やパルキア型が多い、ということなのでしょう。
しかし、キュレムは非EXポケモンのアタッカーなので、依然としてEXポケモンの多い環境下では、サイドレースを優位に進めることができます。そのため、まだまだ使用者は健在なのだと思います。
Tier2のデッキの特徴として、Tier1よりもデッキの動きにテンプレートがないことです。なので、相手にする際は、常に相手の立場に立って、「相手は何をされるのが一番つらいだろう?」と考えながらプレイするのが良いと思います。
Tier3以下は、時間も労力もないので紹介まではできませんが、環境の多くのデッキは上記デッキから構成されているので、デッキを組む際の参考にしてください。
後、いないとは思いますが、このデータを別の場所で使いたい、と言う方がいらっしゃいましたら、一言声をかけてくだされればうれしいです。
しかしこれ、思ったより面白いので定期的にやりたいですね。
次の集計はハーフデッキ発売後の2月中旬あたりの予定です。
コメント
いまは竜王戦期間の真っ最中なので、もしかすると、レギュの影響を若干受けている面はあるかもしれないですね。ビリゲノやダークライ系の動向はかなり気になります。
大変だと思いますが、次回も期待してしまいますw
レックビールとパルキアが多いのは竜王戦の影響が大きいと思うのですが、ガブチルが少なかったのが印象的でしたね。
これから竜王戦の結果や、ハーフデッキが発売されて、環境がどう変わるのか、追いかけていければと思います。
リンク頂いてもよろしいでしょうか?
環境の分析をやっている人はいらっしゃるかもしれませんが、やはり統計データがないと客観的に判断するのが難しいですからね。
リンクはフリーですので大丈夫ですよー。
解析ありがとうございました。
わかりやすく引き込まれました。
リンク頂きました。
宜しくお願い致します ^_^
はじめまして。リンクありがとうございます。
今後も追いかけていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。